自分の大切な家族が亡くなった時に家族だけで心温まる見送りをしたい、
費用を抑えてこじんまりと行いたいという要望から、家族葬と考えられる人が増えています。
家族葬も普通の葬儀と同じように祭壇を飾り、その両脇に生花を供えます。
そして、会葬者の人数分の料理を手配します。この一連の手配をまとめて葬儀屋さん
がしてくれます。近親者が亡くなられて大変な状況ではありますが、一回深呼吸をして下さい。
自分で冷静に判断をするようにしましょう。祭壇の両脇に飾るお花は、
葬儀屋さんより花屋さんの方が専門職ですし、料理に関しても料理屋さんの方が専門です。
もちろんその他の葬儀に関することは、葬儀屋さんの専門です。
お花も昔は、菊の花にユリと蘭の花が入るのが葬儀用の生花でしたが、
現在は故人の好きだった色や花で葬儀生花を作るようになってきました。
普段お付合いのある花屋さんがあれば、専門職の花屋さんに相談する方がお勧めです。
料理に関しても、一般会葬者が何百人もくる葬儀だと準備できる料理屋さんも
限られてきますが、家族葬で20~30人分の料理であればどの料理屋さんでも
準備できますので、知り合いの料理屋さんに相談する方が、
費用を抑えてなおかつ自分の要望にあった葬儀にできるはずです。
葬儀の引き物は、使った分だけの精算なので多く注文してしまっても返品ができます。
しかし、料理は一度発注してしまうと返品ができません。会葬者が何人くるかわからない
人数分の料理を手配するので、多く注文しすぎて費用がかさむことがあります。
家族葬では、参列する人数がはっきりわかっているので、料理を注文しすぎる
ことがないので、余分な費用がかかりません。
家族葬の問題点は、家族、親族以外の方がお香典を貰っているのでということで
葬儀終了後にご自宅に弔問に来られて、その対応に追われるということがあります。
などなど、その後の対応を考えると、一般葬にしておいた方が、後々楽だったという
事態が起こりかねません。実際、こういうトラブルに悩まされる遺族の方は少なくは
ないようです。
是非こういったケースも想定してどういうお葬式をするかお考えいただきたいと思います。
家族葬の良い点
1. 心を落ち着けて、ゆっくり故人と向き合える
2. 声をかける人がいない
3. 費用を安く抑えられる
家族葬の悪い点
1. 声をかけてもらえなかった人から苦言を呈される
2. 後日の自宅への弔問の対応に追われる
3. 香典収入がないために思ったよりも費用がかかる
家族葬に参列できなかった方の想いに配慮が必要
家族葬を終えた後は、故人が逝去したことを知らせておきたい方へ、
家族葬で見送ったことをハガキなどで報告することもマナーのひとつです。
このとき大切なことは、家族葬に呼ばなかった方への配慮です。
呼ばなかった方の中には、最期にお世話になった故人とお別れをしたい
という想いの方もいるからです。
ハガキで報告した後、家族葬に呼ばなかった方が、故人を偲びたいと自宅に
弔問に訪れることもありますので、弔意への感謝を伝えましょう。
家族葬を終えた報告をするまで、家族葬に参列したことは口外しない
家族葬に呼ばなかった方が、逝去したことを知った場合、
お世話になった故人と最期にお別れをしたかったという想いから、
故人に手を合わせたいと、自宅へ弔問に訪れる可能性があります。
家族葬を終えたばかりで、心身ともに疲れている家族にとって、
弔問への対応は負担になります。
家族葬の参列した方のマナーとして、家族が報告するまで、
参列者は家族葬に参列したことを口外することは控えましょう。
家族葬でも会社に連絡は必要?
葬儀社との打ち合わせによって、葬儀を行う日程が出勤日と重なった場合は、
当然ですが無断欠勤にならないよう、会社に連絡する必要があります。
会社に連絡しないことのメリットは、会社の上司や同僚に家族葬で故人を
送ったことを知られることがないことです。
デメリットは、会社から慶弔休暇を取ったり、慶弔金を受け取ることができないことです。
家族葬で送るときに会社へ伝えるべきこと
・誰が亡くなったか
・葬儀のスタイルは何か
・いつからいつまで休むのか
・香典、弔電、供花は受け取るのか
・休暇中の連絡先
特に注意が必要なのは、葬儀のスタイルです。会社に伝える際に、
父の葬儀に参列しますとだけ伝えると、葬儀の日程や場所などの
情報が社内で共有され、上司や同僚が葬儀に参列します。
会社に伝えるときには、葬儀は身内だけが参列する家族葬で行いますと明確に伝えることが大切です。